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祇園に新名所フランフランが新業態1号店を公開

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フランフランは、京都・祇園に23日オープンする新ブランド「マスターレシピ(MASTER RECIPE)」1号店の内部を一足早く関係者に公開した。

祇園の中でも観光スポットとして人気のある花見小路から路地を入った角地に立地。店舗面積は112平方メートルで、1階には器と食卓回りの道具、アクセサリーなど、2階にはフレグランスや盆栽、インテリアファブリック、オブジェなどが並ぶ。

店舗デザイナーは、同社とゆかりの深いグラマラスの森田恭通氏。祇園の街並みに合わせたお茶屋風の外観デザインに、土間や畳の床など和と洋を融合したミニマムでドラマティックな内装が印象的だ。店舗中央の吹き抜け空間には、彫刻家アレクサンダー・カルダーの作品のような扇子を使ったモビールを飾り、「楽しさを感じさせる、軽やかで華やかな雰囲気を作り出した」(森田氏)。宙に浮いているように見える木製什器や、壁面の曲線使いなどにも和と洋の融合を表現している。

「マスターレシピ」はインテリアショップ「フランフラン」の新ラインとして2017年9月にスタートした。約1年間のテスト販売を経てコンセプトを確立し、1号店オープンを機に新ブランドとして本格的に立ち上げる。コンセプトは“ワールド・コンテンポラリー・クラフト”。素材、人、技法、歴史、産地に裏付けられたストーリーのあるプロダクトを日本国内26地域と世界20カ国からセレクトし、現代の暮らしに調和させる。ボスニアの伝統的な木彫技術を継承し、ユネスコ無形文化遺産に登録されているボスニアの木工所「ZANAT」の作品や、静岡の伝統工芸である丸ヒゴを使った駿河竹千筋細工など、日常使いのものからアートやオブジェまでそろえる。

ブランドとして立ち上げた理由について、商品開発本部新規事業開発部の田中一嘉・部長は「世界各地には数多くの伝統工芸が存在しているが、時代的に廃れてしまっているものも少なくない。テスト販売を経てその現状を目の当たりにした。受け継がれてきた技術を使って時代に合わせたものを世の中に送り出していくのがわれわれの使命だと思い始めた」と話す。京都に1号店をオープンしたのは、伝統を守りながらグローバルに発展してきた土地柄であり、同ブランドの思いと合致したからという。

立ち上がり時の取扱商品数は約550SKU(最小在庫管理単位)。そのうちセレクト商品が約6割、別注オリジナル商品が約4割を占める。1号店の開店と同時に、独立したウェブサイトを立ち上げ、一部商品のオンライン販売も開始する。店内の商品説明に記載されたQRコードを読み取り、ブランドサイトからショッピングできる機能も備える。

今後の計画は未定だが、田中部長は「ECとのバランスを見ながら都市部に数店舗広げていくことも視野に入れている」と話す。